スポンサーリンク

マイアミ・バイスのTVドラマを観て心躍った80年代!

フロリダ州最大の都市マイアミは、気候もよく海もきれい。南国・楽園のイメージがあり、国内外からの観光客も多い街です。

ただ、やはりニューヨークやロサンゼルスのように犯罪発生率は高く、楽園とは裏腹に危険な都市とされています。

マイアミ・バイスは、そんなおしゃれな街で起きる凶悪な犯罪に立ち向かう潜入捜査官・アンダーカバーのドラマ。
常に組織に潜り込んでるわけじゃないですが、常にわりと大きな組織を相手にしている印象がありますね。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

マイアミ・バイスってどんなハナシ?

マイアミ・バイスとは、マイアミデイド警察の風俗取締班・VICE SQUAD(バイススクワッド)のことで、国際的組織犯罪を取り締まるチーム。

とくに近隣のラテン系諸国から流入する麻薬や武器関係の事件が多かったせいか、組織や犯罪者の名前も、やたらラテン系のものばかりでした!
もちろん刑事仲間もラテン系、多いです。

主人公はソニー・クロケット刑事、通称ソニーと相棒のリカルド・タブス。
ソニー役は若い頃のドン・ジョンソンが演じています。

兄の敵を追ってマイアミに来たニューヨーク市警察の刑事タブスと、地元マイアミ警察の刑事ソニーが協力して犯人を捕らえ、その後タブスはマイアミデイド署に居残るというのがパイロット版です。
ソニーは元フットボール選手。この回でタブスが「ジェームズ・ソニー・クロケットだぁ!」と、現役時代のソニーを思い出すシーンがありますね。

日本でのタイトルは、最初は原題「MIAMI VICE」同様マイアミ・バイスだったのが、数話してから「特捜刑事マイアミ・バイス」になりました。
いや〜、その邦題はいいんだけど、日本版のオープニングに登場人物の顔を画面の端に入れるのはやめてほしかったな…

このドラマの特徴は、なんといっても当時流行りだったミュージックビデオ・MTVの要素を加えたことでしょう。
80年代のメジャーな曲が劇中頻繁にかかるんですね。

パイロット版のクライマックス、ソニーとタブスが敵陣に乗り込むシーンで、フィル・コリンズの”In the Air Tonight”が流れ続けます。

シリーズ第1話のラスト、ソニーとタブス、そして上司のロドリゲス主任がバーで話すシーンでは、ジョージ・ベンソンの“This Masquerade”が。
僕はこの曲大好きだったんで、初っ端から気に入りました!あ、パイロット版観たのはもっとあとになってからだったんでね…

で、MTVを意識してか、日本語版ではちゃんとアーティスト名とタイトルまで出るんですよね!

曲も単にBGMとしてでなく、しばらく聴かせるという徹底ぶりでした!

製作総指揮はマイケル・マン。
僕の大好きなドラマ、刑事スタスキー&ハッチの監督や脚本を務めた人です。
また同作品スタスキー役のポール・マイケル・グレイザーやハッチ役のデヴィッド・ソウルが監督を務めたエピソードもありました。

今では結構メジャーになっている役者も多数ゲスト出演していて、デヴィッド・ソウルの監督作品“No Exit”(邦題:地対空ミサイル強奪!武器密輸ルートを追え)の犯人役で、「こちらブルームーン探偵社」でブレイクする前のブルース・ウィリスが出ています!

ドン・ジョンソン自身や上司キャステロ警部役のエドワード・J・オルモスなど、マイアミ・バイスの出演者も監督をしていますよ!
ちなみに、オルモスの監督した“Bushido”(邦題:二重スパイ抹殺指令!暗躍・フロリダ国際諜報戦)には「俺がハマーだ!」のデヴィッド・ラッシュが殺し屋の役で出ています。

スポンサーリンク

おしゃれだけど重い・リアルな内容

70年代の刑事ドラマに比べ、84年制作のマイアミ・バイスはかなりシビアな作りでした。悪く言うとちょっと暗め。
アクションシーンもそうですが、ストーリーにもリアリティを持たせるためか、最後は「事件解決でめでたし」というわけではなかったです。
そのへんは刑事コジャックにも似た要素はありましたが、なんかこう、スタイルが違うんですね。

犯罪組織との銃撃戦では、相手も強力な武器を使用するので刑事もそれなりの武装で挑みます。
サブマシンガンやショットガン、アサルトライフルなど、警察モノにしてはかなり派手です。

やっぱり大掛かりな犯罪や武器・麻薬・賭博に酒・売春絡みで戦争並みの銃撃戦もあったせいでしょうか。
捜査官たちも常に狙われる立場にあり、死と隣り合わせという、現実味ありありの内容でした。
犯罪組織に潜り込んで仲間を装う“潜入捜査官”というスタンスでの進行もかなり重々しい印象がありました。

暗い雰囲気を打ち消していたのは街並みや室内などにあふれるトロピカルなムード。
真っ青な海にビキニの女の子、ソニーとタブスが乗るオープンカー、ヨットハーバーにモーターボート、そして流行りの音楽。
およそ刑事ドラマらしくない印象もありましたが、これらのおしゃれでイカス要素が日本でテレビを見てる若者たちを惹きつけたんだと思います。

オープニングのナレーションにもあるように、青い海と輝く太陽、そしてネオンの浮かび上がるおしゃれなバーがあれば、暗い雰囲気なんて吹っ飛びますよ。

そしてソニー・クロケットの出で立ちも人気の一因だったんじゃないでしょうか。
彼は常に清潔感のある涼し気なジャケット着こみ、サングラスを掛けて車をかっ飛ばします。

僕も大学時代、初夏になるとそんなカッコで学校に通ってました。
この時代、日本でもプールバーが流行って、ミュージックビデオが流れる大きなモニターや淡いピンクやブルーのネオンが店内を飾る中、僕もよくビリヤードをやったもんです。

もちろん気分はマイアミ・バイスでした。

リアリティーを追求した銃撃シーン

さて、このドラマで衝撃的だったのがマイケル・マンが追求した“リアルさ”なんですが、番組のPVで何度か見たシーンにこれまでのドラマにない感動を覚えました。

犯人(殺し屋)が背後から警官に止まれと言われてゆっくり振り返るところ。
持っていたライフルを捨てながら、ズボンに挿していたオートマチックの銃をすばやく抜いてその警官を撃つんですよ。

警官は自分に銃を向けてるのに、相手がトリガーを引くよりも早く9ミリ弾を撃ち込むんですね!
それも3発ですよ!
確実に仕留めるわけです。
これ、第3話か4話あたりのシーンだったと思います。

これまでの刑事ドラマじゃ、間違いなく、バン!バーン!といった1発目と2発目の間がわずかに(0.5秒ほど)あいた撃ち方です。

でもマイアミ・バイスだと、タタン・タン!と間のない連射です。
トリガープルの軽いオートマチックの特性を存分に活かした演出です!

すごく新鮮でした。
もちろんそのシーンを放送で観た次の日、友人との会話は「あれ、すごかったな!」でしたよ。

重苦しい内容だけどおしゃれ・リアルなかっこよさ・マネしたくなるファッション・ヨットハーバーやカクテル・ビリヤード・ミュージックビデオ…

マイアミ・バイスはまさにそんなシーンが頻繁に出てくるドラマでしたね。

日本での放送は1986年から。
ちょうど世間がバブル景気に湧いた頃だったから、そういうのも人気に影響したのかもしれません。

タイトルとURLをコピーしました