日本では男女問わず、相棒や二人組の仲間のことをバディと言いますね。
本来は男同士の相棒を指すんですが、ここでは男女のコンビについてみていきます。
題材としてはポピュラーですが…でも、意外と少ないんですよね刑事や探偵ドラマで男女のバディものって。
僕が観てたやつはこんなのです。
男女バディの刑事ドラマ
女刑事J.Jケーン
日本語のタイトルは女刑事であるJ.Jケーンが主人公であるかのようにしてあります…が!
実はコレ、原題は「Dog&Cat」で、ジャック・ラムジーとケーンの二人が主役であることを意味しています。
日本で言う犬猿の仲のことをアメリカでは犬と猫に例えて言いますが、この場合は男女のコンビの警官を指す言葉なんですね。
ちなみにオープニングテロップにはラムジー役のルー・アントニオの名前のほうが先に出ますよ。
う~ん。
どうして女刑事のみを主人公にしたようなタイトルにしたのか…
パイロット版ではラムジーの相棒が殺されて、その後任にケーンがやってくるって話だったから、彼女の方にスポットがあたってる感があってそうしたのかも知れません。
さらに邦題にJ.Jケーンとありますが、本当はJ.Zケーンです!
なんで名前変えるかなあ…まあJ.ZよりJ.Jのほうが言いやすいですからね、理由は多分そんなトコでしょう。
そういやパイロットではJ.Jだったのが、シリーズではJ.Zになってたような気がします。コレって僕が住んでた関西圏だけかも知れませんが。
ケーンの役をやってるのはブレイク前のキム・ベイシンガー。
しかもこの当時はベイシンジャーと表記されてました。
制作話数はパイロット版を入れてわずか7回だったんですね。意外と短いな。
道理であんまり印象にないわけだ…
華麗な刑事デンプシー&メイクピース
タイトルのとおり、男性刑事のジェームズ・デンプシーと女性刑事ハリエット・メイクピースの男女二人が主人公。
イギリスの番組でした。
第1話でニューヨーク市警のデンプシーが警察内部から狙われる羽目になって、刑事の交換留学みたいな制度に乗っかってロンドン警視庁に転属するんですね。
そこでヤンキー気質のデンプシーが、上品かつ有能で貴族出身のメイクピース巡査部長と組むことになるわけですよ。
性格も考えも正反対で反りが合わないっていうのは、まあ刑事モノに限らず男女バディの定番ですね。
しかも刑事ものの場合はほぼ男が型破りで女がそれを抑える役です。
このドラマもしかりですが。
セリフを原音で聴いたことなかったんですが、メイクピースがデンプシーに「イギリスの警察には警部なんて階級はないのよ」といってました。
当時僕は「ええ~!?イギリスにも警部ってあったけどなぁ…」と思ってたんですが、実はデンプシーは警部じゃなく、警部補だったんですね。
70~80年代当時の流行りでしたが、コロンボやコジャックみたいに警部補を警部と訳してたわけですよ。
そのまま警部補と訳してりゃよかったのに、逆にややこしかったですね。
刑事ハンター
男女のコンビが主役というわけでなく、主人公は男性刑事でその相棒が女性刑事というパターン。
でも相棒の女性刑事ディーディー・マッコールは、ドラマの上では主人公リック・ハンターとほぼ同格に扱われてました。
タイトルは「HUNTER」だけど、出演者のトコも主役扱いででてましたからね。
女刑事J.Jケーンとおんなじような感じです。
男性刑事の相棒の女性刑事に「俺がハマーだ!」のドリー・ドローがいますが、この番組はハマーにスポットがあたっているので男女バディものとは言えないでしょうね。
X-ファイル
刑事じゃないけど、FBI捜査官のフォックス・モルダーとダナ・スカリーの二人が主役のミステリーですね。
UFOなんかの超常現象を調べる部署なのに肯定派のモルダーは変人扱いされていて、最初の頃は、彼と組んではいてもスカリーはモルダーの監視役と言った感があったので、相棒という雰囲気じゃなかったですね。
モルダーと行動をともにするうちに徐々にスカリーも彼を信じるようになって、ようやくバディという感じななりました。
僕はこれ、途中のシーズンまでしか知らないんですが、シーズン11まであったんですね。
男女バディの探偵ドラマ
こちらブルームーン探偵社
探偵会社の男女二人が番組の主役という設定でしたね。
第1話(パイロット版)では、売れっ子モデルだったマディ・ヘイズが自分の財産を経理士に持ち逃げされてしまい、身の回りの整理をするためにお抱えの会社を手放すというところで初めて後の相棒となるデーブ・アディソンに出会うというオハナシでした。
デーブはブルームーン探偵社の前身である天使の微笑探偵社の社長。この探偵社って実はマディが税金対策のために持ってた赤字会社だったんですよね。
閉鎖を勧告されたデーブは当然食い下がりますよ。
最初は相手にしていなかったマディも、二人で事件に巻き込まれてそれを解決したことでデーブを見直し、自宅で改めて彼から二人で探偵をやっていこうとオファーされるんですね。
ドラマの最後に「もう少し考えさせて」とやんわり断ったマディでしたが、デーブの方は多くのマスコミを呼んでいて、マディ宅の玄関を出た途端にフラッシュを焚くマスコミに対し、「今日はまだなんの声明もありませんが、明日のこの時間にまたどうぞ!」と言ってニヤリ。
笑うマディと顔を見合わせるところでエンディング。
ブルームーン探偵社のコンビ結成までのエピソードでした。
探偵レミントン・スティール
これも男女の探偵コンビですが、こっちは女探偵のところに謎の男が転がり込んできて二人で探偵をやっていくことになるというオハナシ。
もともとは女探偵のローラ・ホルトが立ち上げた探偵事務所が(女性の探偵という理由から)見向きもされないことで一計を案じ、レミントン・スティールという架空のボスを作ってその助手となることで信頼を得るんですね。
ホントは男の社長なんていやしないのに、そこにレミントン・スティールを名乗る謎の人物が割り込んできて、事件に首を突っ込んで引っ掻き回しながらも解決していく、コメディ色の強い探偵ものでした。
彼の本名も正体も結局語られることはなかったんですよね、何となくにおわせる程度で。
探偵ハート&ハート
邦題では探偵とありますが、この番組の主人公ジョナサン・ハートとジェニファー・ハートは探偵じゃなく、巨大企業のオーナー夫妻です。
夫婦だからバディというのもどうかと思いますが、冒険の好きな二人がいろんな事件を解決していくことから男女バディものに加えました。
いつも何かしら事件に巻き込まれて、二人で危機を乗り越えてましたね。旦那さんが奥さんを守るというんじゃなく、奥さんも自立した女性だからお互いに助け合って事件を解決していくところは、まさに相棒ですよ。
いやしかしよくもまあこれだけしょっちゅういろんなトラブルに巻き込まれる夫婦だなあと感心しながら観てました。
脚本はシドニー・シェルダンで、どんな事件でも最後の5分ほどで見事に丸く収まるのが不思議でした。
男女バディドラマ・諜報員
刑事でも探偵でもないけど、こんなの観てたよというので最後に一つ。
トップモデル諜報員カバー・アップ
フォトグラファーとモデルという表向きの仕事を隠れ蓑にして政府機関の仕事を遂行する男女二人のオハナシですね。
元モデルでフォトグラファーのダニー・レイノルズが政府のエージェントだった亡き夫のあとを引き継ぐことになり、相棒として元グリーンベレーのマック・ハーパーと組むことになります。
最初はきつい態度だったマックも徐々に打ち解けるようになるんですが、7話で降板しちゃうんですね。
8話の初っ端から唐突に新しい相棒のジャック・ストライカーがでてきます。
ここでもはじめは衝突しながら事件を解決しますが、エピローグでダニーが上司のトウラーに今後もジャックと組むよう言われ、「私はマックと組んでるのよ」と反論するも、返ってきた言葉が「マックはもう帰ってこない」でした!
マックは単独での任務遂行中に殉職したと聞かされたダニーが泣き崩れたあと、マック役のジョン・エリック・ヘクサムが事故で亡くなったというテロップとナレーションが入り、ビックリでした。
ジャックはその後21話まで登場してダニーと組んでいますが、番組自体もそのシーズンのみ(1シーズン)で終了してしまいました。
ジャック役のアントニー・ハミルトンは新スパイ大作戦のマックス・ハート役でも知られていますが、この人も若くして亡くなってますね…
こうしてみると、ほぼ同格に描かれる男女のバディものってそんなにないですね。
いや、僕が知らないだけでまだまだあるのかも知れませんが…
20世紀って、まだまだ男中心に描かれる番組が多かったから、メインキャストはおろかレギュラーにさえ女性がいないってのも結構ありましたしね。